【こんな症例も治りますシリーズ 776】 『 セカンドオピニオン診療 他院で治療したが治らない嘔吐する猫ちゃん : 難治性膵炎 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上のイラストは、猫の十二指腸、膵臓膵管、胆嚢胆管の位置を示しています。

■ 上の3つの臓器がかなり近接しているので、『長屋の火事』という表現で言われますが、膵臓が炎症を持つと、胆管や十二指腸の炎症が起こりやすいです。

★ 犬とは異なり、猫の大部分 (80%) は膵管を 1 本しか持っていません。

★ 上のイラストは、副膵管があるように書いてありますが、20%の猫にはあるようです。

 

 

猫 ミックス猫 13歳 オス(去勢手術済)

 

 

【 以前から嘔吐が続き、他院で吐き気止めを処方されていて、回数は減ったのですが嘔吐がつづく 】とのことで来院した猫ちゃんです。

 

 

 

 

◆◆ 全身の検査を進めると、血液検査で膵炎のマーカーが陽性であった事から膵炎と診断しました。

 

 

■ 猫の膵炎は嘔吐、下痢、食欲不振や元気消失などの症状を起こしますが、慢性症例では症状がはっきりしない事もあります。

 

 

■ また猫の膵臓、胆管、十二指腸は解剖学的に近い位置にあり、相互の炎症が波及し、3つの臓器が同時に炎症を起こすことがあることが知られています。

 

 

■ この猫ちゃんも過去に胆管炎の既往歴があるとの事でした。

 

 

 

 

■ 今回は膵炎の治療を行ったことで、吐くことも無くなり、食欲も出て元気になったとの事ですが、今後も注意深く経過を診ていきたいと思います。

 

 

 

 

 

◆◆ さて、膵炎のセカンドオピニオン診療(他院からの転院、紹介症例)で多いのが、

 

 

1) 『 慢性膵炎を繰り返すのですが、いつもの治療では治りません 』

 

2) 『 治るのですが、またすぐに再発する慢性膵炎で困っています 』

 

3) 『 診断が付かなくて、症状が治りません ⇒ 当院で検査したら、膵炎 』

 

 

■ この3パターンですが、1) 2)の慢性膵炎に対しては、当院は複数の治療方法があります。 遠方からも通院されて、動物さんや飼主様もご満足いただける治療方法です。 

 

 

 

 

■ 100%成功するとは申しませんが、通常とは角度の違う内服薬や注射薬を用いる治療方法ですので、気になる方はご来院下さい。

 

 

 

 

獣医師 長谷川哲英

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